コンサルティング部 シニアコンサルタント
こんにちは!WEBマーケティングコンサルタントの武田知浩です。
前回の記事で新しく作ったオンラインショップへの集客方法についてデジタル、リアルの両面からお伝えしました。今回の記事ではオンラインショップの最終目的である「売上拡大」を実現するために、売上方程式をご紹介し、その中でも集客部分に焦点を当ててお伝えしていきます。
・オンラインショップを作ったけど、集客がうまくいかない!
・オンラインショップの売り上げが伸びない!
・オンラインショップで何から改善すればいいか分からない!
このようなお悩みをお持ちの方に向けて書いた記事です。
オンラインショップ運営ではやらなければいけないことがたくさんありますし、やろうと思えば様々なことが出来ます。だからこそ、取り組み目的を明確にして作業することが重要です。
これからオンラインショップを始めようとする方や既に運営を始めた方に、まず知っておいてほしい考え方や具体的な取り組みをお伝えしていきますので、参考にしていただければ幸いです。
※当記事では楽天、Amazon、Yahoo!などのショッピングモール上のショップではなく、独自オンラインショップを前提に執筆しています。ショッピングモールショップ様にとっても参考にしていただける箇所はあるかと思いますのでご了承下さい。
Table of Contents Plus
1.オンラインショップの売上方程式で重点ポイントを考える
オンラインショップを作ってモノやサービスなどの商品を販売するからには「売上拡大」が大きな目標ですよね?
しかし、売上拡大のために何から取り組めばいいかちゃんと把握していますか?

売上をざっくりと分解するとこの図のようになります。
売上=客数(新規顧客+既存顧客)×客単価(商材単価×買上点数)×購入頻度
このように売上を分解して考えることで、取り組むべき施策が明確になります。
・【客数】とにかくたくさんのお客様に来ていただく
・【客単価】少しでもたくさん、高いものをご購入いただく
・【購入頻度】1回きりではなくリピート、紹介して頂く
お客様を集めるためにやるべきことと、購入単価を上げるための取り組みは違います。違いを考えずに手当たり次第対策を取ると成果が出にくいと言えますね。
また取り組んでいる施策の成果をきちんと把握することもできません。
目的:新規集客を増やす
施策:広告を出す
成果:広告経由の流入数の拡大(広告配信前後での比較)
最低限このように「目的・実施施策・成果指標」を設定してから取り組むことをおすすめします。
これから新しくオンラインショップを始める方は、何よりもまず「集客」に取り組む必要があります。
既にオンラインショップを運営されている方は、データ分析を行い、自社ショップの現状把握を行ってください。
・毎月の注文数と新規、リピートの内訳
・平均商材単価
・平均購入点数
これを月次ごとに比較できるようにし、傾向を把握してください。下降傾向などよくない兆候が見えれば原因を考えて対策を打つことが出来ます。
売上を上げるために何から優先的に取り組むか、これが一番最初に重要な視点です。
2.オンラインショップの集客を「新規」と「リピート」に分解して考える
オンラインショップのゴールは先述した通り「売上拡大」です。

オンラインショップでの購入完了をコンバージョン地点と設定すると、コンバージョン数(購入完了数)の拡大方程式は上記図のように表せます。
・集客に励み一人でも多くの訪問者を集める
・接客に励み一人でも多くの人に購入してもらう。
ざっくりと言ってしまうと、オンラインショップに一人でも多くの人に訪問してもらい、その中から一人でも多くの方に購入してもらうことで、コンバージョン数は向上します。

下記図の具体例で考えてみましょう。

オンラインショップで月商100万円を目指すとします。
ショップに並んでいる商品の平均売価(または平均注文単価)が10,000円だとすると、100件の注文が必要になりますね。(10,000円×100件=100万円)
100件の注文を獲得するために果たしてどれくらい集客をすればいいのでしょうか?
扱う商材により転換率は上下しますが、最低でも1%は確保したいです。100人訪問したら1人は買ってくれるという割合です。この転換率1%をもとにすると、注文100件獲得するためには、10,000回の訪問が必要となります。(10,000回×1%=100件)
10,000回の訪問数を確保するために何をすればいいのかここを考えることから始めます。既にオンラインショップを運営されている方は最近のデータを基に妥当性を考えてください。
10,000回が自社ショップにとって現実的ではない場合、転換率を2%,3%,4%と上げるためにはどうすればいいかを考える必要があります。
もしくは月商目標が高すぎる可能性があるので、目標を下げるということも必要になります。
注文件数100件を目標とした場合
10,000回×1%=100件
8,000回×1.25%=100件
5,000回×2%=100件
訪問数を上げるか、転換率を上げるかで、注文件数の最大化を目指しましょう。
また、訪問数を増やす際に「分解して考える」という視点がポイントです。
いままで一度もオンラインショップに来たことがない人、購入したことがない人を集めて買ってもらう施策と、1度でも購入したことがある既存客にリピートしてもらう施策は異なります。
しっかりと集客するターゲットを設定して取り組むことが非常に重要だと言えます。
3.オンラインショップへの新規集客について考える

上記図はあくまでも一つの例ですが、新規集客を実施する際に参考にしてほしい図です。見込み客の検討段階に応じて取り組むべき施策を書き出したものです。
無関心層:自社商品やサービスを知らないし、興味関心もない。自社商品やサービスが提供するベネフィットにも魅力を感じない状態。もちろん自発的に調べたりしない。受け身で情報に接するだけの状態なので、記憶からもすぐになくなる。
潜在層:自社商品やサービスを知らないが、特定の悩みや困りごと、欲求が芽生えている状態。偶然目にした情報で一気にニーズが開花し購買行動に直結することもある。しかし自発的に情報収集はしていない。
準顕在層:ニーズが発露し、悩み事・困り事の解決策、欲求を満たす方法を自発的に探し始めた状態。まずは手広く情報収集をするところから始めるので、この段階のユーザーにいかに見つけてもらうかが一番大事。
顕在層:購買、来店することを前提に具体的な検討、最終判断を進めている状態。ある程度情報収集は完了しているので、最後の一押しが重要になる。ここのユーザーは多くの企業が獲得を目指すので競争も激しく、広告単価も高騰しがちになる。広告による集客だけではなく、受け皿となるサイト・ページ内での接客も非常に重要。
むやみやたらと集客のための施策を実施してもどんな検討段階の人に向けて実施するのか決めていないと成果を上げるのは難しいと言えます。
中小規模ショップにとって狙うべきユーザー層
特に中小規模オンラインショップでは、無関心層にアプローチすることは得策とは言えません。まずは、自発的に情報収集して動き出している準顕在層~顕在層に向けて自社商品を知ってもらうことから始めるべきです。
取り扱い商材のジャンルによりますが、どこのオンラインショップも自発的に検討を進めている層から取り込みにかかりますので、競争は激しいことが予測されます。しかし、その競争に勝たないことには新規集客の獲得は見込めません。
潜在層や無関心層を狙う方が競争は和らぎますが、購入に至る確率(転換率)はぐっと下がってしまいます。資金が豊富で大々的に広告を出し続け、継続接触を図り、想起率を向上を目指すことができる場合には良いのですが、多くの中小規模ショップではそんな余裕はないはずです。
中小規模ショップではいつ買ってくれるか分からない層にアプローチするよりも、今すぐかそろそろ購入しようとしている層に確実にアプローチしていくことが重要です。
WEB広告を使った集客に関してはこちらの記事もお読みください。
⇒【初心者向け】WEB広告を使ってオンラインショップへの集客を行う方法
4.既存顧客のリピート集客について考える

オンラインショップではいかにリピートをしてもらうかが至上課題となります。1回客だけを集め続ける自転車操業のような運営では先行きは暗いと言えます。
購入後のアフターフォローを通して2回目の壁を乗り越えてもらうことに全力を注ぎこむことが必要です。
新規客を一人獲得するよりも、2回目の壁を乗り越えてもらう方がよっぽど重要です。そのためにまず下記内容をご検討ください。
オンラインショップにおける2回目の壁を超えるために出来ること
・商品発送時にお礼状(できれば手書き)を同梱して人の温度感を残してください。
・次回使えるクーポンを同梱することも2回目の壁を超えるために有効です。
・購入後の接触(サンキューレター、はがき、DM、電話など)を必ず取ってください。1週間後、1か月後、2カ月後など商品により異なりますが、複数回の接触を試みてください。
・SNS運用している場合には必ずフォローしてもらい、ゆるいつながりを作り出すことを意識してください。特にLINE公式アカウントの活用をおすすめします。
これからオンラインショップを始める方、始めて間もない方は、新規集客とリピート確保のバランスを見ながら取り組みを進めてください。新規だけを優先し、購入者へのフォローを全くしていないという状況は極力避けてください。
オンラインショップの顧客データを整備する
ある程度ショップ運営歴のある方は、改めて自社顧客データを整備し、
・累計購入回数
・累計購入額
・最終購入日
こういった切り口から顧客データを見やすく整備してください。そしてお客様のランク付けを実施し、自社の売り上げに大きく貢献して頂いているコアユーザー、ロイヤルカスタマーを見つけ出してください。
新規のお客様よりも、長年ショップを利用し続けているコアユーザーやロイヤルカスタマーを何よりも大切にするべきです。そのため下記施策を検討してみてください。
・大切なお客様専用のキャンペーン、イベントを実施する
・お客様を巻き込んだ商品開発を実施する
・お客様を巻き込んだSNS運用を検討する
・特別なお友達紹介インセンティブ制度を導入する
コアユーザーやロイヤルカスタマーが自分たちが大切にされていると感じてもらったり、半ば身内のような感覚を持ってもらうことでよりショップへの愛着度が高まります。
ある程度ショップ運営歴がある方は、ぜひ大切なお客様に対して何ができるかということも考えてみてください。
5.まとめ
オンラインショップ運営をしているとやらなければいけないことが山のように発生します。
0から作ったばかりであれば、集客に全力を注ぎこむだけでいいですが、ある程度注文が発生してくれば、受注対応をこなしながら、オンラインショップ改善に取り組む必要がるので、作業量が増えてきます。
そのため、何を改善するために取り組むのかという「目的」を明確にし、また現状の「数値」を把握した上で取り組むようにしてください。
数値で確認することで、改善したのか、効果がないのかということを判断でき、PDCAを回していく際の判断を下させるようになります。
この記事ではオンラインショップの売上方程式をご紹介し、その中でも訪問者を増やすために「新規集客」と「リピート集客」に分けて施策を実施する重要性をお伝えしました。
次回の記事では転換率を向上させるために出来ることをお伝えしたいと思います。
現在オンラインショップを運営されていて、お悩みの方はどうぞ下記よりお気軽にご連絡ください。
最後まで読んで頂きありがとうございました。
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