事例

新規案件獲得のための営業戦略構築支援

2023.02.25
企業名
有限会社伊鈴製作所様
業種
製造業
ホームページ
https://www.isuzu-tsubame.com/

≪ご依頼の背景≫

旋盤による丸モノの加工を得意とする金属加工業で、ATM関連機器・医療機器・業務用厨房調理器具の部品製造を行っておりました。これまでは下請受注型のビジネスで、お客様に対して営業活動を行ったことはありませんでしたが、今後は新規案件の獲得や新規顧客開拓も必要になると感じていらっしゃったため、お客様への提案内容(=営業戦略)構築支援をご提案させていただきました。

≪ご支援内容≫

120分×全5回のプロジェクトで下記の内容のご支援を実施しました。
【第1回】
・財務状況の分析
・これまでの事業の変遷、売上割合などの現状把握
【第2回】
・技術の棚卸
・顧客ごと、事業ごとの売上割合、粗利の確認
・既存顧客を中心とした市場動向の分析
【第3回】
・ターゲット選定
・自社目線での強みの整理、顧客視点でのメリットへ変換
【第4回】
・競合比較を踏まえた提案内容の構築
・新規顧客との接点づくり
【第5回】
・営業プロセスと目標設定
・見積確認時のヒアリング、商談時のヒアリングのコツ

今回のご支援ではプロジェクト会議の4回を、想定ターゲットへの提案内容(=営業戦略)の構築に費やし、アポの取得方法や商談時のトークのコツといった営業戦術については5回目のプロジェクト会議と以降のご支援の中でサポートさせていただきました。

1.地図を描きターゲットを明確にする

戦略構築の第1ポイントは”地図”を描くことです。

決算資料から自社の財務状況を分析し、自社のビジネスモデルのどこに課題があるのかを推測します。
さらには既存の取引先の売上比率、粗利率を洗い出し、自社にとって嬉しい仕事は何なのかを明確にします。

そのうえで、市場環境の分析です。
現状取引のある分野で、どんな仕事が成長分野でどんな仕事が衰退分野なのかを予測します。
オープンデータになっている市場予測はもちろんですが、お客様のWEBサイトから投資家向けの公開情報を閲覧することで、市場予測や中期計画を確認することができます。

↑どんな仕事がプロダクトライフサイクル上の導入期・成長期にあたるのかを考えます

こうして、まずは自社が狙うべき市場をピックアップしていき、今後の進むべき方向性を明らかにしていくことができるのです。

2.自社の強みを洗い出す

自社が狙うべき市場が見えてきたら、次は営業活動に移るために提案内容を構築します。

新規営業において最も重要なことは「提案内容=仮説」を持つことです。

お客様に対して「何かお困りごとはありませんか?」とお伺いしても「今は困っていないかな」と返ってくるのが常です。なぜならお客様には既に自社以外の外注先がいるからです。新規営業というものは、お客様の心を掴んでいる外注先に対して割り込みを行うものなのです。

そのため「こういった点でお困りではございませんか?弊社であればこのようなアプローチでお客様の課題を解決します」というように、仮説をぶつけていく必要があります。

仮説をぶつけることで、現在のお客様の理想と現状を認識してもらい、既存の外注先から納品される部品の課題を認識してもらうのです。

提案内容の仮説は、大きく分けて3つのポイントで、以下の図の手順で構築していきます。

①仮説を構築する上では「自社の強みの棚卸」を行い、「自社にとって得意な仕事は何のか」「製造上・技術上の強みは何か」を明確にしていきます。
②そのうえで、自社の強みをお客様目線でメリットとしてお伝えできるように整理します。
③競合比較を通じて、お客様にお伝えすべきメリットの優先順位を決定します。

これで提案内容の仮説が完成します。

↑再現性の高い手法で提案内容を構築します

最も、提案内容はあくまで仮説なので、必ずしもお客様の心に刺さるとは限りません。しかし、「こういった点でお困りごとではないですか?」と聞かれれば、困っているか困っていないかについては答えていただけるものです。「困っていない」のであれば「ではどのような点で課題がおありでしょうか?」というように真の課題を聞き出すチャンスが生まれます。

したがって、まずは提案内容の構築が、新規営業の肝となります。

3.ご支援を受けていただいて

今回のご支援の中では、「自社の強みの洗い出し方や、お客様目線でのメリットの作り方がわかった。」「ターゲットの情報をどのように集めたら良いのかとても勉強になった。」「お客様に対してどのようにヒアリングをしたらよいのかイメージを持つことができた。」というお喜びの声をいただきました。
実際、全5回のプロジェクトの間に、新規案件の受注を5件成約いただくことができました。

今後は、まずは既存顧客の市場における成長分野の案件受注に注力し、アプローチ先を広げて新規顧客の開拓にも取り組んでいかれる予定です。

私が担当しました!
八田 元之

コンサルティング部 コンサルタント

私は、BtoB型のビジネスを展開される事業者様のマーケティング戦略・営業力強化を得意としております。具体的な施策として、どんな分野をどのように開拓していくのかという戦略構築支援、目標達成に向けた営業マ…

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